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いーとあーとブログ

展覧会情報(旧ギャラリーどらーる掲示板より)

2025'04.20.Sun
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2007'01.29.Mon
展覧会案内 投稿者:竜馬@管理人 投稿日:2006/04/14(Fri) 11:55 No.3737  
 

3737.jpg ■「国松 希根太彫刻展」

会場:『SOSO』   
   札幌市中央区南1西13三誠ビル1階 011-280-2240

期間:4月1日(土)~4月18日(日)

当社ギャラリー2月の『寒昴展』に出展した彫刻家の国松 希根太さんの個展です。
会期も終わりに近づいてのご案内で大変に失礼致しました。
希根太さんごめんね。直ぐ行きます。



展覧会 竜馬@管理人 - 2006/04/15(Sat) 19:50 No.3745  

3745.jpg ◆「国松 希根太彫刻展」

『SOSO』という場所が何なのか知らなかったのですが、小さな喫茶店でした。
コーヒーのとても美味しいお店でした。

展示作品は今年2月の『寒昴展』で発表した「あなたと二人宇宙で迷子」(同名でもう1点)とタイトルのついた二つの作品と、同じタイトルの天吊りも含めて29点の木彫作品を使用したインスタレーション準平面(?)の「VANILA SKY」、そして会場の関係で効果が出ていないのが残念でしたがインスタレーションの一部で用意したと思われるポールの作品「SKY HIGH」の構成でした。 



「法」と「事」と、「次」 久保AB-ST元宏 - 2006/04/17(Mon) 01:55 No.3746   HomePage

3746.jpg ■竜馬さま、栄通さま、T.nakamuraさま、ご機嫌いかがでしょうか?
ヘッポコも元気です。
昨日の私は、某美人画伯から借りた莫大な借金を無事に踏み倒すことに大成功し、同じ会場にいたツガイの若林博士を春の野に解き放ち、二次会も用意されていたのですが、私の車に画家夫婦の渡辺貞之夫妻と、25歳の天才美少女画家、會田千夏嬢を連れて画廊めぐりをさせていただきました。

■『国松 希根太 彫刻展』
めちゃオシャレなカフェに、浮遊感あふれる木が素材のインスタレーション。
作家本人が、自身のHPの撮影のために在廊されていらっしゃいました。さすが、作家+カフェ+HP作成者と、広がる「関係」もアートなのですなぁ。と、現代のパリ・モンマルトル「洗濯船」を見た気分になりました。
国松画伯は、北海道では珍しい、画家一族の三代目。
同じ三代目でも、ヤミ米屋三代目とは違った品の良さが、憎たらしいほど好感度が、高っ(笑)!

■『本田 征爾 展 ~幻日~にて』
会場;GALLERY 門馬(札幌市中央区旭ヶ丘2丁目3-38)
本田くんの絵は相変わらず(?)でしたが、ここのオーナー門馬さんの話がブッ飛んでおりました。
ここのギャラリーは、個展スペースとは別にオーナーの自宅と併設されている常設展(=まぁ、自宅だから常設ですが、もちろん・笑)が魅力。こちらを楽しみに来ている方もいるのでは(←本田クン、失礼!)?
で、いつものよーにマルセル・デュシャンなどを観ようと2階に上がってみると、見慣れない着物がズラァ~ッと並べられていました。まぁ、自宅なんだから、自分の着物を陰干しでもしていたのかな?とも、すぐに思った私でした(笑)。
で、マルセル・デュシャンのチェス・ボックスを形どった作品に、手をかけて、中を開きました。この私の暴挙を見て、この3月まで三岸好太郎美術館で悪者監視係をしていた千夏嬢は、「わ・わ・わ。私、今まで、こーして美術品を勝手に触る人を監視していたのに~(汗)。」
で、このチェス箱に隠されているデュシャンのユーモアあふれるクールな世界を、千夏嬢&渡辺夫妻と、こっそりと楽しんでいたら、背後に足音が……!
ちょうど、デュシャン作の、赤と青のセロファン付きのメガネを取り出して、千夏嬢が「東映とびだすマンガ映画祭り」に来た小学生のように、はしゃいでデュシャン・サングラス状態の時だった!
やばいっ!
足音に振り返ると、そこにいらっしゃられたのは、オーナーの門馬よ宇子さん。うわ&うわ&うわぁあ、や・やべぇ、勝手に作品をさわって、開けて、セロファン・メガネをかけているぜ、この女(=千夏姫・笑)、状態である。
門馬さんは、「あらら、渡辺先生!お久しぶりです、よくいらっしゃっていただきました。」と、私&千夏嬢の後ろに立っていた渡辺画伯との挨拶が始まった。
ラッキー!今のうちに、そ~っと、マルセル・デュシャンのメガネを資料にはさめて、写真集や大ガラスの設計図をしまって、ふたを乗せて……、おいおい千夏さん、このフタは、こうじゃなくて、こっちから、あー早くしないと、門馬&渡辺画伯の挨拶が終わるぅ~と、あわてフタめいて(がくっ)フタをよーやく閉めて、何も無かったように振り返って、ニコッ。
「門馬さん、お久しぶりです。こんにちは、久保です。こちら、ご存知、天才美少女画家の會田千夏センセーです。」
「あら、會田さん、デュシャン、いいでしょ?」
「がくっ。」
■っーコトで、1階に降りて門馬さんがコーヒーを淹れてくださった。
「門馬さん、実は今日は、坂本順子さんの49日だったんです。今、その帰りなんですよ。」
「ああ、そうなの。私も昨日、札幌芸術の森美術館で坂本さんのご主人にお会いしたのよ。」
そして話題は自然に坂本順子画伯の思い出話に。
渡辺画伯は、「私は坂本順子さんのこと、あまり知らなかったんですよ。家内から写真を見せられただけでは、あまりピンとこなかったんですが、一昨年の門馬ギャラリーでの個展で実物を観て、いっぺんにファンになったんですよ。それで、昨年の私が館長をしている深川市の東州館で個展を是非してくれと、順子さんにお願いに行ったんです。」と、かみしめるようにおっしゃられた。
嗚呼!私が本田クンの個展が観たいからと偶然、連れてきた渡辺画伯と、ここのオーナーの門馬画伯、実は一昨年から続く『坂本順子個展』の札幌展、深川展のそれぞれの会場主催者だったのだ!
なんとまぁ、偶然にも、もっとも正しい「坂本順子49日」巡礼をしたことになっていた!
その時、私の脳裏に同時に浮かんだのは、あの2階のマルセル・デュシャンのチェス・ボックスをこっそり開けて、中の赤青セロファン・メガネを使わせてくれたのは、その時に個展をされていた坂本順子さんだった!と、気がついたしだい。
みなさん、絶対に真似をしてはいけません(笑)。美術品は「目」で鑑賞するものです。たとえメガネでも(がくっ)。
■「みなさん、午後6時からF.H.C.のライブもありますから、楽しんでいってくださいね。」そして門間さんは少し声を小さくして、「なんせ、ライブも無料ですから。」と、ニヤッと笑う。 このチャーミングさも、門馬さんのたまらない魅力だ。世代を超えた多くのアーティストが、ここ門馬ギャラリーをサロンのように愛している。
「ここで私も谷川俊太郎の息子さんのライブも聴いたし、絵だけではなくて、本当に魅力的な空間ですよね。」と、深川市で夫婦でそれぞれに美術館を持つ渡辺画伯は本当にうらやましそうに言う。
「でも、広いから掃除はたいへんでしょ?」と、久保の話題はアート的ではない。がくっ。
「ここの掃除は全部、私が朝の5時に起きてやっているのよ。」
「ええっ!お一人で!?」と、一番驚いたのが主婦でもあられる渡辺夫人画伯(笑)。
「ほらな、掃除は大事だよ。」と、夫でもあられる渡辺貞之画伯が、妻でもあられる渡辺通子画伯に、まるで美術論のよーに言う(笑)。
「ええ。そのかわり10時には寝ますもの。その代わり、何かパーティがあれば、40人ぐらい、ここに若い人が集まり、朝までカラオケをしたりして騒いで、しまいには皆さん、自由に布団をひいて寝ていかれるんですよ。もちろん、私は皆さんに失礼して、いつものように午後10時にはお先に寝ちゃうんですがね。あはは。楽しいのよ~♪」
「門馬さんの作品は、サイズがかなり大きくて全道展でもいつも話題になっていたんだよ。素晴らしい作品だったなぁ~、いつも。門馬さんが全道展をやめられてから、なにか淋しくなったね。」と、渡辺画伯がニコニコしながら私や千夏さんに解説してくれる。
「へぇ~。回顧展、是非、観てみたいですねぇ。」
「実は、私、50歳までお茶をやっていたんですよ。」
「裏ですか?表ですか?」と、知ったかぶりの久保が聞く。
「裏です。裏千家で、ほら、この奥にも茶室がありまして、炉が切ってあるんですよ。」
「なるほど。ギャラリーって、いわば、現代の茶道ですもね。」
「はぁ?」
「ほら、お客さんを迎え入れ、もてなし、お互いの美意識の確認を楽しみ、会話を楽しむ。特に門馬ギャラリーなどは、もてなしの最高の形態ですし。」と、こーゆーコジツケ反射神経(だけ)は得意な、久保。
「それが、50歳で足を悪くして、茶道をあきらめたのよ。それから絵を描き始めて、今ではもう、86歳よ。あははは。」
「!」86歳という年齢を初めて知った千夏画伯は目を丸くして驚く。確かに、すでに知っている私でも、このバイタリティの前には信じられない年齢だ。門馬画伯は、つい最近も四国へ美術館めぐりの旅行に行き、私たち4人以上に精力的に勉強し、そこで観て来た絵や美術館そのものの魅力をまるで女学生のように目を輝かせて、みずみずしくも正確な表現の言葉で私たちに報告してくれましたし。
「この門馬ギャラリーは、本当に素晴らしい空間ですね。」
「ありがとう。でも、私はさらに次のこと、考えてるの。今年の11月に北海道近代美術館で展覧会を開くのよ。」
「ゲェエエエエ~!ギョエェェエエー!すっ、すげぇ。」
「今、私が一番したいこと、北海道で一番大きい美術館に素晴らしい画家を十数人集めて、インスタレーションをしたいのよ。」
時々、つまらないことで虚無的になる自分が恥ずかしくなるぐらいに「希望」が、アタリマエのように次から次へと元気良く語られてゆく。
素晴らしい大先輩を持つ、北海道美術界に私は少し羨望すら感じました。

2006年11月10日(金)~11月19日(日)
北海道近代美術館
『FIX・MIX・MAX! アートのフロントライン(最前線)FIX・MIX・MAX!:Contemporary Art Exhibition』
「質・表現ともに急速に拡張する現代 アートの世界。その動向を全国的・世界的に活躍する作家たちを通し、ライブ感覚で検証します。」
入場料;一般 500円、高大生 300円、小中生 無料
http://www.aurora-net.or.jp/art/dokinbi/exhi/special/06/fix.html

■『外山 ムツ子 展』
ギャラリーどらーる 札幌市北4西17 HOTEL DORAL 1F
暗い画家による、明るさへの歩み寄りのような個展。
ここでまたコーヒーをご馳走になり、ふかふかの椅子に体を沈めながら、4人で美術談義。

私以外の3人は画家だ。
もうすぐ彼らが所属する全道展が始まるんですねぇ。
何もかも、終わってはいないのですね。



Re: 展覧会案内 竜馬@管理人 - 2006/04/17(Mon) 14:27 No.3747  

3747.jpg >ヘッポコも元気です。

あのー久保さん ヘッポコは私ですよ。しかもあまり元気ではありません(*^_^*)。

亡き愛妻の法要の席には「ギャラどらヘッポコHP」の読者が多数出席くださっておりましたが、久保さんが入ってこられた時にあちこちから声がかかりましたね。
『長い!』『一度で最後まで読める程度にしてください』etc.
でも、あんなに女性に人気があるとは知りませんでした (笑)

あの時間帯から素晴らしい行動力ですね。さすがギンギン現役44歳。相変わらず筆も滑らか、指も良く動く。
でも2~3創作がありますね。
>作家+カフェ+HP作成者と、広がる「関係」もアートなのですなぁ。と、現代のパリ・モンマルトル「洗濯船」を見た気分になりました。
 ↑
ふふふ。

「ああ、そうなの。私も昨日、札幌芸術の森美術館で・・・」
 ↑
門馬さんはそうは言わないでしょう?「そうでしょう。そうでしょう」 で始まりますよ。(笑)

「ほらな、掃除は大事だよ。」
 ↑
渡辺さんが通子夫人にそんなこと言えませんよ。(笑)

今朝会社に出ましたらコーヒー4杯の請求書が机の上に載っておりました。
先日も昼休みコーヒーを飲んでいたら知らない方が外山ムツ子さんの個展を見に来られ、空いていた私の前の席に座られました。フロントの女性はすかさずその方にコーヒーを出して、その分のチケットももぎ取られました。
当社はコーヒーを注文されて、帰り際に『社長にツケといて』と言えばOKみたいですよ (*^_^*)。

>何もかも、終わってはいないのですね。


そうですね。



「法」と「要」と、「酔う」 久保AB-ST元宏 - 2006/04/17(Mon) 17:00 No.3748   HomePage

3748.jpg >あんなに女性に人気があるとは知りませんでした

■おかげさまで、買ったばかりの新車に、某天才美少女画家と、某ステーション・ワゴンねぇさんによるコラボレーションのボディ・ペインティングをされました。がくっ。
■添付写真の状態で、午後7時まで札幌市内の画廊めぐりをしていたわけですが、さすがの私も超☆恥ずかしかったのですが、なんせ某天才美少女画家&某初めて会ったのに、めちゃ気さく(?)なマダムの作品なもので消すこともできなかったのです。
その時、天から雨が降ってきました。みるみる内に、新車のボディは元の腹黒い姿に戻ってゆきました。
どんなに借金を踏み倒しても、天から守ってくれている竜馬夫人に改めて感謝申し上げたしだいです。



「抱」と「擁」に「妖」 竜馬@管理人 - 2006/04/17(Mon) 17:43 No.3749  

3749.jpg >某ステーション・ワゴンねぇさんによる 

「ねぇさん」と言われて彼女喜ぶでしょう。某(ニュース)ステーション会社役員夫人にて60歳代エントリーの身なんですよ(笑)

教員生活の永かった某出席者が『彼は本当に闇米屋なのか?』と聞いてきました。
何気なく「実は某田舎町の教育委員長ですよ」とヨタを飛ばしたら、飲みかけの若林博士&久保特選のビンテージ○○ワインを噴出してショックを受けていました。悪いことしたなぁ~。

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2007'01.29.Mon
展覧会案内 投稿者:竜馬@管理人 投稿日:2006/04/14(Fri) 13:25 No.3741  
 

3741.jpg ■江川 博 展 「地と図」

会場:Art Space/Café MOKERA MOKERA
   旭川市旭岡2-12-11 0166-55-0054

会期:4月22日(土)~5月17日(水) (木曜日休み)

時間:11:00~18:00

1月12日から札幌の「珈琲&ミニギャラリー円山社中」の個展に次いでの個展を北海道学芸大学旭川校時代に過ごされた旭川で行います。

4月22日(土)の初日にオープニングパーティーを予定しています。

2007'01.29.Mon
展覧会案内 投稿者:竜馬@管理人 投稿日:2006/04/14(Fri) 12:23 No.3738  
 

3738.jpg ■「川本エミ子個展」

会場:ギャラリー 山の手

会期:4月3日(月)~22日(土) (日曜休日)

時間:午前10時~午後5時

全道展会友の川本エミ子さんの個展のご案内です。
エミ子さんですから水彩が主体だと思いますが、今回はお話を聴いておりませんので詳しいことは承知しておりません。

2007'01.29.Mon
ブログ 投稿者:Ryo 投稿日:2006/04/11(Tue) 15:17 No.3727  
 

久しぶりに更新しました。



Re: ブログ カリメロ - 2006/04/13(Thu) 00:35 No.3733   HomePage

ふふふ、上げちゃいました!



Re: ブログ 竜馬@管理人 - 2006/04/13(Thu) 05:43 No.3734  

memeさん 大胆な。。。(笑)



Re: ブログ カリンズ - 2006/04/13(Thu) 20:45 No.3735  

竜馬さん memeさん こんばんは
オープニングパーティの八木保次先生の素敵なお洒落に
しばし見入りました・・・



Re: ブログ カリメロ - 2006/04/13(Thu) 22:31 No.3736   HomePage

カリンズさん、こんばんは!ご無沙汰しています。HPにいらして下さってありがとうございます。たまに書き込んでくださいね!

2007'01.29.Mon
小熊秀雄、長谷川利行、吉川孝(... 投稿者:栄通 (丸島) 投稿日:2006/04/12(Wed) 15:33 No.3729  
 

 今朝の道新朝刊に「小熊秀雄賞廃止 旭川・協賛企業減少などで 募集今年限り」という記事が、一面にあった。
 運営資金上での事態だ。残念なことである。寂しくも思う。一連の流れを踏まえて、作家・小檜山博氏は「このままでは日本の文化は死滅していく一方」と、紙面にある。賞が無くなって日本文化が滅びるならそれも仕方がない。賞は表現者にとって励みだが、賞の為に表現しているのではないだろう。小檜山氏、君はそうだったのかい。小熊は僕の言葉の10倍の迫力で氏や道新を罵倒しただろう。

 小熊秀雄(1901-40)。不実な男だった。自分の参加した絵画展に、観覧した女性とすぐに関係を持ち、結婚した。その妻のいる食卓に浮気の相手を連れてきては暴言を吐いていた。幾人も、何度も。
 真摯な男でもあった。生い立ちや家系、子どものこと、晩年と死を思うと、その創作活動とあいまって暗くなってしまう。

○「池袋モンパルナス 小熊秀雄と画家たちの青春」
 おととしの12月、旭川まで観に行った。特に、靉光(あいみつ)の「梢のある自画像(1943)」が、とりあえずの目的だった。小熊の自画像は、なんだかコッチを寂しげに見ていて、やるせなくなってしまった。絵と文章の表現の違いと言ってしまえばそれまでだが、両者の根本的違いを感じた。絵は余りに心情が素直にでていた。他の画家たちも概ね同じだ。時代だと言ってしまえばそれまでのことだが。「池袋モンパルナス」、詩人の一発ネーミングにはほとほと感心する。
 松本俊介、麻生三郎、大野五郎、寺田政明、長谷川利行等がいた。(つづき)

 



Re: 小熊秀雄、長谷川利行、吉川... 栄通(丸島) - 2006/04/12(Wed) 16:28 No.3730  

 リコー、リコーと吉川君が言う。とりとめのない雑談の中から出た作家評の言葉である。話の流れから、すぐに利行と判った。すこしかみ合わないところもあったが、意は汲みあ
えたと思う。会話は別の事に移った。

 長谷川利行(1891-1940)。京都生。
 野垂れ死にという言葉を、時に芸術家に冠することがある。彼に献呈しよう。独身、放浪、貧窮、病気、最後は放浪病者としてその世界の収容所で死んだ。(上記図録より)
 なんでもない東京の風景画だが魅入ったの覚えている。特に油彩の白に、『青春の白さ』だった。厚塗りで、描き殴るようなタッチだった。ここはリコーを語る場でない。吉川
展に行こう。

 「冠水橋」。魅力的なタイトルだ。僕にとって橋とは、こちらの世界とあちらの世界を結ぶ存在、異次元を繫ぐ物、男と女の間の深い深い川を跨いでくれると思
はれる物だ。
 彼の場合は絵画自体が川底で、性行為している存在が橋なのだろう。橋としての男女が水に覆われて沈んでいる。しかも、獣姦のような体位で。絵を覆っているブラック・アン
ド・ブルーは川底色だが、羊水と言ってもいいのだろう。ベットは生と死の象徴か。ほとんどの現代人は、病院のベットで始まりと終わりを迎える。大きな目を持つ顔。僕にはこ
の顔が最後の宗教画家と言われたルオーに見えて仕方がない。見る・見られる存在としての作家、作品、観覧者。それはともかく、視線は男女と観覧者をみている。ネズミはパソ
コンのマウスに見立てて、現代の象徴であろうか。背景に窓らしきものがある絵もある。これだけの絵だ。以上のように書けば、僕がどう彼の絵をみているか察しがつくと思
う。

 が、僕にとって吉川絵画の喜びはそこにはないんだ。絵を見ていると、吉川君が絵を描くために絵の前に立っているのが連想される。あんまり走らない絵筆、顔は徐々に、徐々
に真っ赤に凍り付いていく。もしかしたら、真っ青かもしれない。目が体が力んでいく。ひっぱていない弓の状態だ。なんか、そういうのを連想してこっちまで鑑賞するのに力が
入ってしまう。

 彼にはもっと、もっと上手くなってもらいたい。
 人目で伏木田臭を感じる。氏の絵は観念的だが、彼のは肉感的だ。絵としての基本的な違いは認めるが、どこか氏にもたれている感がする。シリーズ化はしかたないがマンネリ
化に注意ということだろうか。例えば、年齢が近い波田君。マンネリの弊を感じる。もったいない。
 これ以上のことは判らない。情けない。鑑賞修行に努めて、次はもう少し言えるようになりたい。その時は彼ももう少し上手くなっているかもしれない。
 34歳と54歳の競争だ。



Re: 小熊秀雄、長谷川利行、吉川... 栄通 (丸島) - 2006/04/12(Wed) 16:37 No.3731  

3731.jpg (会場にて)



アラッ。まあ~。 竜馬@管理人 - 2006/04/12(Wed) 23:48 No.3732  

美術も文学も何ひとつロクに分かっていない管理人のヘッポコHPが最近アブナイ表現の文章に席巻されています。

よく読むと頷けることが多いのですが、ところどころの過激表現にハラハラしています。

みんなスゴイなぁ。と流しておこう。

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