□「桔梗智恵美 ヒビノナマエ 展」
深川市 「うなかがめーゆ美術館」
「暑い日には深川に行く」Ryo@管理人の避暑術を実行して来ました。
深川は盆地で、札幌よりも3~4℃は気温が高いように思います。
昨日1日、クーラーの効いた部屋から出れなかったRyo@管理人、今日は汗をダラダラ流してみたくなってお昼過ぎてから深川に向かいました。
勿論、「うなかがめーゆ美術館」です。
札幌を出る時に館長の渡辺 通子さんに電話を入れてみました。
『いらっしゃるの?暑いわよ。私は今、自宅に逃げ帰ってクーラーの前にいるのよ。それに花が無い時期だから。。。』と、来るのはバカみたいに言われましたが、へそ曲がりのRyo@管理人は「そこまで言うのなら行こう!行こう!」と出かけました。
「うなかがめーゆ」でいつも一緒になる桔梗智恵美さんの個展が明日で終わることも承知していたのも伺った理由のひとつでした。
桔梗智恵美さんは滝川市在住の教員で、全道展に毎年出品している方で、「うなかがめーゆ美術館」のHPも管理されている方です。






桔梗さんはまだ完成された作家と言うよりも、教育者・主婦・子育て中の母親と何役にも挑戦しながら画業の研鑽を続けている方と管理人は認識しています。
彼女のブログ http://majomori-life.de-blog.jp/throughlovelife/2007/05/post_2.html をご覧頂ければ彼女の真摯な姿勢を感じ取れると思います。
渡辺 通子館長の言葉通り、「うなかが」の庭は今や「夏草の真っ盛り」で(*^_^*)、残っている花も終わりかけのものばかりでした。
それでも何点か写真にして来ましたのでご笑覧ください。
















帰りに「道の駅 深川ライスランド」から500メートルばかり滝川寄りの旧深川観光ホテル横の「食事処 ななつぼし」で地元深川産の蕎麦(十割蕎麦)を食して来ました。
「ライスランド」の釜飯ばかりが有名ですが、行かれる方は是非一度立ち寄って頂ければ幸いです。
「Ryoさんのいーとあーと」で見たと言ってくだされば食後のコーヒーをサービスしてくれます(多分)。



□「PLUS1 gro(o)ve」
初日に伺いました。
田畑 卓也さん、藤本 和彦さん、ダム ダン ライさんがおられ長い時間お邪魔しました。
いろいろなグループ展を見ておりますが、Ryo@管理人が好きで「又見たい」と思うのは共通点があります。
「コンセプト、目指す方向性が一致」
「相互に批評しあう風土がある」
「発想が自由で、新たな試みに挑戦する雰囲気がある」
メンバー個々が幾ら名人上手でもそれらの無い(少ない)グループ展を見たいとは思いません。
飾られたメンバーの作品を見て刺激を受け、次年度にそれが加味されたのを見た時などはとても嬉しくなります。
この「PLUS 1(プラス ワン)展」はその意味で大好きなグループ展です。
ライさんの加入について聞きました。
いろいろお聞きして理解いたしましたが、要するに「緩い縛りのグループ」だそうです。
展覧会場の制約が無ければ、もっと良い展示が考えられるかも知れないのが唯一残念でした。
アトランダムにご紹介しますが、写真という2次元の手段ではインスタレーションの空間を上手く表現できないことを予め申し上げておきます。
尚、昨年(2006年)8月1日にNO.4166の展覧会案内■「グループ プラスワン展」への返信の形でメンバーの作品紹介をしております。
当掲示板の上から7行目に[ワード検索]というボタンがありますので、それをクリックして出た画面のキーワードにグループ プラスワン展と入れて検索キーを押していただければ出てきますので参考になさってください。
今回は展示の状態のみのご紹介に致します。
【谷口 明志】




昨年の「域」との違いは床を這わせた部分が増殖していたことでした。
ただ、床の木目がきついので効果を殺していたように思いました。
【ダム ダン ライ】



鉄の板を切り抜き、赤く着色、ポイントを打ったり、小片を重ねたりしております。
いつも思うのですが、このコーナーは難しいですね。
【藤本 和彦】




昨年のテポドン風のロケットを包んだ時は、「藤本さん、何処へ行くの?」と思いましたが、又、地味な“包み者”に戻って安心しました(笑)。四季神ねぇ・・・。夏の神から秋の神に何を申し送るのでしょうか?
上の3枚目の拡大写真を見てもらえば分かりますが、“シバリの達人”ですね。
【田畑 卓也】




「母の胎内から出た時は白に輝き、生命を終える時も白」と田畑さんは言う。
彼の作品から色が抜けて行きだして3~4年が経ちます。
一時、形も揺らぎだしそうになったこともありましたが・・・。
数年前まで平面の作家だった千代さんとの微妙なせめぎ合いを感じます。
【千代 明 】




決して扱いやすい素材では無いと思いますが、丹頂鶴の求愛の舞を舞っているかのように軽やかに、又は、情報過多の社会の中で一身にアンテナを広げている現代人でもあるかの様に見る側に想像させる作品でした。
【坂東 宏哉】


昨年の作品が会場の関係もあり、少し間延びした感がありましたが、今年は良く整理されておりスッキリしておりました。
ただ、「下に一工夫あれば・・・」とも感じたのは事実です。
【齋藤 周】




何か訳の分からない「展覧会報告」になりましたが、札幌近郊の方は是非行かれることをお勧めいたします。
□「13th NAC展 陶による造形」
昨日拝見してまいりました。
「どなたがおられるかな?」と思いつつ伺いました。
当日の当番は旭川近郊の東川町に窯を持つクラフト作家滝本 宜博さんで、丁寧に説明を頂きました。
【滝本 宜博】
滝本さんの作品は半磁器の土にそれぞれの色顔料を加え、練りこみで制作した作品を乾燥させずに直接1,300℃の高温で焼成したオブジェを展示しておりました。
一昨年の「NAC展」では「花器あー」・「花器べー」 の様に、同じ土で異なった黒の色を見せてくれました。








【林 雅治】
倶知安町郊外の寒別という処の廃校をアトリエ・住居にしている林さんは「麓彩会」・「風の中の展覧会」でお馴染みです。
粘土を紐状にして巻き重ねて成型しておりますが、一昨年の作品もそうですが、実に硬質で堅牢なイメージがあります。




【堀江 隆司】
堀江さんは今何かと話題の夕張で生まれ育った方ですが、工房にしている「ゆうばり創作の館」が廃止となり、その後のことが気がかりとのことです。
一昨年の作品・部分もそうでしたが、炭鉱のズリにある残土を使った作品を展示しておりました。
ご本人がおられなかったのでお聞きできませんでしたが、『相当な高温で焼いているのでないでしょうか?』との滝本さんの言でした。



【前田 英伸】
前田さんは北海道教育大学の陶芸の先生だそうです。
「私にとってデザインはアートであり、日常の生活こそがその表現の舞台である。そうありたい」という前田さんは、一昨年もコーヒーカップの取っ手の部分だけを型抜きした作品を多数展示しておりましたが、今回はその逆というか型そのものを型どつて焼いた磁器の作品でした。


□「谷口 一芳油彩展」
初日に拝見してきました。
体調が優れないとお聞きしておりましたし、お住まいをマンションに変えて整理でお忙しいでしょう。
今年は以前に描いた未発表作品を出したようですが、昨年の「春陽会」も出しておりませんでしたから、旧作だけを飾るのかという思いもありました。
ところがどっこい、新作を4点(06年1点、07年3点)も描いていたではありませんか。
さすが作家暦60年の年季の入った一芳さん、頭が下がります。




左から3点が07年制作、右端が06年です。
力強く、瑞々しい感性を感じさせる作品です。
谷口 一芳85歳健在でした。




会場の模様を4点画像でご紹介しましたが、二つのカメラを持参したので画像サイズに違いが有り見づらいことをお許しください。
他の作品も数点ご紹介します。
Ryo@管理人は谷口 一芳さんの作品は相当拝見しておりますが、初見の作品が2~3点ありました。




その他、デッサン・書票などのシルクスクリーンノ作品も飾っておりました。




谷口 一芳さんは気配りの方で、ご丁寧な案内状に珈琲券が同封されており、それを使わせて頂きカウンターでお話をしておりました。
「そろそろ帰ろうか」と言う頃に、北海道美術界のもう一人の長老である栃内 忠男さんが見えました。
『いやー分かりづらい店だ!タクシーでこの辺を2回も3回も回ったよ。看板も無いし、何処が入り口か分からない』と文句を言いつつ、『でもこの空間はいいね~。天井も高いし、喫茶店と区切られているところがいい。だけど、こういう建築をする建築家はいかん』と悲憤慷慨しておりました (*^_^*) 。
「こういう建て方が流行で、若い人にはオシャレと受けが良いんですよ」とフォローしましたが、『坂本さん、あなたそう言うけれどね・・・・』と聞きません。
如何にも栃内先生らしくて笑ってしまいました。



□「北口さつき展」
会場:札幌時計台ギャラリー
会期:7月30日~8月4日
北海道の日本画界と言うか、道展の日本画と言い換えても同じですが、若い作家が非常に良く頑張っております。
川井 担 先生や、中野 邦昭さんなどが(他にもおりますが)教室をお持ちで、裾野を広げる努力もされておりましたが、「北の日本画展」での地道な努力の効果が大きいのでないかとRyo@管理人は思っております。
その「北の日本画展」を強く支えているのが北口さつきさんでしょう。
若手の精神的支柱の役割を担いつつあると見ておりました。
高校の教員で、今春に札幌旭丘高校から札幌開成高校に転勤されたばかりですが、以前の勤務先の旭丘高校の生徒さんが初日に大勢訪れておりました。
基本的には隔年で札幌時計台ギャラリーで個展を続けておられますが、「今年で何回目?」の問いには明確に記憶しておられませんでした。
昨日ある美術関連サイトを見ていたら、「時計台・若手6人のそれぞれの個展」と紹介されておりました。
北口さんは「若手」と書かれてどう思っておられるかは存じませんが、5年前に「ギャラリーどらーる」での個展をお願いした時に http://ryo.gokigen.com/2002/11/index.html
美術評論家の柴橋 伴夫さんが彼女を「若手」と書いた時にも違和感を覚えておりました。
昨年8月、深川の「アートホール東洲館」で「北 口 さ つ き ― この20年 ― 」展を行いました。
この時点では、以前までの東南アジアの少数民族の女性と、南国の花々という北口さんの作品イメージからの変化を読み取れませんでした。
その後アイヌの女性を描くことに力を入れておりましたが、この先はどうでしょう?


今回の個展で一際目を惹いた2点の屏風を使った大作が迎えてくれました。
将に桜花爛漫の様が青い夜空に浮かび上がり、瑞々しい生命力がスッキリと表現されています。
この1点でRyo@管理人は満足致しました。
これからさつきさんは益々屏風にはまり続けて行くことでしょうね。
それと薄暮の牡丹も「明日は散るであろう」と思わせる満開の儚さが美しく感じました。
中小品は沢山お持ちであろうと思いますが、ごちゃごちゃと持ち込まず、静謐な空間を作り上げておりました。
他の作品もご紹介します。







