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展覧会情報(旧ギャラリーどらーる掲示板より)

2024'04.27.Sat
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2007'01.31.Wed
おそい吉川聡子展記 投稿者:栄通 (丸島) 投稿日:2006/07/01(Sat) 13:07 No.4045  
 

4045.jpg  いつも、どらーる作品だけは感想文を送らなければと思っているのです。かなり自分勝手な言葉を掲載させて頂いているのに、礼儀を失することばかり多くてすいません。月は跨ぎましたが、展示場にはまだ吉川作品の空気臭や色香が残っていると思います。思い出しながらの感想文です。

 「薄く淡く・・」、確かに一目にはそうだが、そういう気持ちで重ねて観に行くと「やや重く暗さも」感じられる。
 無表情に近い人物像、小物は鳥や紙飛行機など『飛ぶ』を連想させる品々、――きっとダ・ビンチが好きなのだろう、鳥かごのある作品などはフェルメールを感じさせる――ドアや窓などは向こう側の世界を暗示させる。その窓などに描かれた景色が画中画になっているフだろうか。ソファーの背もたれの大きなカーブは大らかだが、大半の作品は直線のほうが支配的で、絵の空気感とあいまって少しばかり緊張感を伴う。ナルシズム的人物像が更に強めている。木々や花々はまさに日本画に特徴的装飾美だ。当然、生命や喜びを込めているのだろうが、やや常套的だ。美と色気の比重で言えば色が多いか。日常のヒトコマを画題にしている様だが、生活の喜びやら楽しさ・苦しさを表現しているのだろうか?生活に重なっている美を求めて、もしかしてズレて存在している異次元の美を求めているのかもしれない。
 淡々と見ていくと50号の小さな窓のある本を置いた椅子の作品(「いつもの場所で」F50)にぶつかった。 

 五月に西武赤レンガ館で「市根井光悦 大雪山写真展」を見た。68歳。一年のうちに八ヶ月は山で暮らしているという。山男である。
 「日高が男ならば、大雪は女です。僕はこの大雪を女性的で美しく撮りたい。例えばですよ、若くて素敵な女性を大雪を背景に撮ります。このイメージをね、この女性をスーと取り去って大雪の山だけで撮りたいんです。なかなか出来ないんですよ。でも、何とか撮れるかもしれません。この歳になって、やっと素直に山と向き合えるようになりました。・・」、市根井さんとこんな会話をした。

 もし吉川作品から女性像をスーと排除したらどんな印象だろう。同じなのだろうか、変わるのだろうか。逆に言えば、人物(自画像)を大きく描くことによって彼女の絵画は成功しているのだろうか。
 椅子だけの作品はあまりにシンプルだからいろんなことが思い浮かんでしまう。ゴッホの黄色い椅子の絵のように、椅子に託した自己の存在そのものの絵を描きたいのだろうか。人間やら人間模様を描きたいのだろうか。日本画特有の装飾性を無くす事によって、空(くう)あるいは空気感を表現したいのだろうか。この椅子の絵自体は中途半端な感じがするが、却って大作の鑑賞の楽しみを増してくれた。
 
 眠れるソファーの女性は何を夢見ているのだろう、覗き込む鳥になりたいものだ。

 
 追記  MAGまちこ記の気持ちの良いコメント、有難うございました



Re: おそい吉川聡子展記 竜馬@管理人 - 2006/07/01(Sat) 14:48 No.4046  

私は日本画は絵画の中でも好きな部類に入りますね。
でも、「分かるのか?」と問われたら勿論「全然分かっていない」と答えざるを得ません。
「それじゃ、日本画以外は?」と問われたら、やはり分かりませんけれど・・・(*^_^*)

吉川 聡子さんは上手な方なのでしょうが、何処が良いのかは具体的には分かっておりません。
ただ、初夏の爽やかな空気の様なものが画面から漂ってくるのに惹かれました。

>追記  MAGまちこ記の気持ちの良いコメント、有難うございました

私なんかの反応を気にしないでください。(*^_^*)
ただ、作家は自分をどう書いてくれようが気にしない強さを持っていますが、他人の名前を挙げて自分のことを書かれるのは辛いかも知れませんね。

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