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展覧会情報(旧ギャラリーどらーる掲示板より)

2024'04.27.Sat
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2007'01.19.Fri
楢原武正展 投稿者:栄通 投稿日:2005/01/28(Fri) 00:53 No.2491  
 

今、大通美術館で、楢原武正展をやっている。2週間の企画展である。30日(日)までである。道新のbox氏が紹介すると思っていたが、今回は見送りのようだ。
野人・楢原、広尾町生まれ、62歳。いつから札幌住まいか、私は知らない。落葉樹に一寸釘をびっしり打ち付けた、ご存知の棒シリーズだ。今回は、一本立ちだ。会場真ん中に立たせ、足もとには、錆びた番線を雲のように、大地のように、恥毛のように、はいまわらせている。棒はいつになく、少し筋くれたっているため、怪しげにうねりながら立っている。ジャコメッティ風に、“それでも私は立っている”と言いたげだ。釘はさび付かせてはいるが、照明にあたって、青光りしている。まるで、あの卵形の楢原氏のこめかみの青筋のようで、そう思うと、この棒は氏自身がここに立っているように見える。御柱のように、墓標のように、聖柱のように、男根のように、屹立する一本棒。壁面には、墨絵で大地を表現している。一個一個の作品に、深い意味はない。その時の勢いで、書き殴ったものばかりだ。この部屋全体で、氏の言う“大地開墾”を表現しているのだろう。
阿部典英氏と彼とは、札幌の両雄だ。なぜがこの二人、この2年間、見事に発表の住み分けをしている。阿部---ポルノ・コンチネンタルG・テンポラリーG・道新G・ドラール・斉藤G・芸森収蔵品展・近美 北方圏展。 楢原---Gアートマン・タピオ・大通美術館。試み展(市民ギャラリー)・立体展(近美)で、相まみえている。両者はまさに札幌の横綱格的存在だ。風格といい、作品のできばえ、力強さ、自己主張は際立っている。だが、先月のドラールの阿部展は、企画なのに期待はずれだった。確かに、すいこまれる美しさには、さすがだとは思ったが、他人の企画で力作・近作が一点もないとは、なんとしたことだろう。70すぎの真柄氏の勢いなど、微塵もない。まるで、『村長の思い出展だ』。今回の楢原氏の作、シリーズものだから、同じように受け取れるが、新作だ。かなり緻密に精魂傾けている。彼は、これを17本作ると言っていた。なんてことはない、昭和17年生まれだからだ。10本作ったという。あと2~3年で一区切りつくのだろう。私は、その作業の結果に、同時進行で付き合える喜びを、何と表現したらいいのだろう。
ぜひ、みなさんも観展してください。棒の前に、静かに座ってみるのが一番だ。
私は、氏を“札幌の宝”だと思っている。



Re: 楢原武正展 竜馬@管理人 - 2005/01/28(Fri) 11:56 No.2492  

2492.jpg 栄通さんの楢原 武正さんへの想いは十分に伝わりました。
北海道新聞には25日の夕刊に掲載されておりましたよ。
明確には記憶しておりませんが、楢原さんのインスタレーションを最初に観た時は私も圧倒された記憶があります。
当初は油彩画家としてスタートし、20年前に「行動美術協会絵画部」の最高賞の「行動賞」を受賞して翌年会員に推挙された方です。
大切なお子様を交通事故で失われた頃から、空缶を潰して貼り付けた作品に変わって行ったと聞いております。
もう無くなりましたが、北5条通の第7グリーンビルに「札幌アートプラザ」というギャラリーがありました。そこで木材(廃材?)の1本1本に錆びたトタンを巻き、釘で打ちつけた膨大な量の素材を使用したインスタレーションを行ったことがありました。以来15年以上は経過しておりますが、その展覧会を家人に連れられて観た時の印象は強烈でした。
又、10年くらい前になりますか、古里に近い道立帯広美術館で市民参加型の木の小枝などを使った大規模な展覧会なども行っております。

近年北海道に来られた栄通さんには、楢原さんへの評価にご不満があろうかと思いますが、十分に「楢原 武正」の名は知られており、業績も力量も知れ渡っている方だと私は認識しております。

ですから、殊更に阿部 典英さんを対比させる必要性は全く無いと思うのですが・・。
私どものギャラリーで「流木シリーズ」を展示していただいたのは、前年に「芸術の森美術館」で『阿部 典英展 ―豊饒なる立体』という大きな展覧会で(仰る収蔵品展ではありません)あなたの言われる「力作・近作」(作品Ⅰ作品Ⅱ)が多くの市民に観てもらった後だけに、『シリーズ全作品を一同に展示したことが無い「流木シリーズ」を出したらどうだろう?』との企画者の考えに基づいて行われたものです。
阿部 典英さんの作家姿勢を云々されるものではありませんでした。
あっ、それとポルノとありましたが、(北方圏学術情報センター)ポルトですよ(笑)。

>まるで、『村長の思い出展だ』。

と書かれたことは、的確な表現とは思えません。ちょっと指先が滑ったのではないでしょうか。

当掲示板にも、別ページの「竜馬が行きたい展覧会」にも今回の楢原さんの展覧会をご紹介しませんでした。
最初にも書きましたとおり、楢原さんの過去の足跡には深い尊敬の念を抱いておりますし、私と同年の方ですがエネルギッシュな活動を高く評価いたしております。
ただ、毎回ご紹介しております個展の他にも幾つかのご案内を頂きながら、その全てを記載致していないのに、ご案内状を頂かなかったものまで調査してご紹介はしておりません。過去のログを参照して頂ければ分りますが、ご案内頂いた時はご紹介もしておりますし、取材も致しておりますが、今回はご案内を戴いておりませんでした。

栄通さんの楢原 武正さんへの想いは頷けますが、阿部 典英さんへの評価には偏りが感じられましたので、珍しくマジで書きました。

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