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展覧会情報(旧ギャラリーどらーる掲示板より)

2024'04.25.Thu
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2007'01.26.Fri
展覧会 投稿者:竜馬@管理人 投稿日:2005/09/05(Mon) 21:56 No.3259  
 

3259.jpg ◆「高橋 靖子展」 札幌時計台ギャラリー

自由美術会員・全道展会員の高橋 靖子さんの個展に行って来ました。
ここ8年間位の大きな作品18作品(21枚)と、小品7点、今年になって制作し始めた「布に刺繍の作品」6点の合計31作品(34枚)が展示されており、靖子さん72歳、気合の入った渾身の展覧会でした。

案内DMに美術評論家の加藤玖仁子氏の文章が添えてありましたが、本日会場に丁度居合わせてお話をすることが出来ました。
高橋 靖子さんの制作活動を長い期間しっかりと見ておられ、「ギャラリーどらーる」の個展も見ておられました。
私の拙いご紹介よりも、加藤玖仁子さんの「高橋 靖子評」(上・下)をぜひご覧になってください。

すべて評論の中に書いてありますが、細かなストロークから、イニシャルを入れ始め、そしてそれが沢山の記号になり、次いで文字に変化して日記風の書き込みを縦横無尽に書き込むようになりました。
そして、昨今はそこの中に形象物を入れてより効果を上げる技法を取り入れ始めました。
キャンバス中心だったものに、最近はグヲッシュや布の刺繍まで進化しております。

その変化の過程を加藤玖仁子さんは分かりやすく書いておられます。
今回の展覧会は、それらをすべて展示してある展覧会でありました。
展示の全作品をご紹介いたします。

《大きな作品》(順不同)
「作品 〔黄〕」「作品 〔群青〕」「作品 〔円〕」「作品〔白〕」「作品〔白B〕」「無題 1」(同部分拡大)・「無題2」「イニシャル 朱」

「記 1」「記 2」(同部分拡大)・「記 3」「記 3の赤」「記 4」「記 5」(同部分拡大)・「記 6」「記 7」「記 10」「記 〔ピンク〕」

《小品》 (順不同)
「NO.4」「NO.6」「NO.12」「NO.1」「NO.3」「NO.11」「NO.10」

《布に刺繍》 (順不同)
「作品1」「作品2」「作品3」「作品4」「作品5」

小品の大半は「刺繍の糸」がコラージュされており、細部にわたって様々な試みがされておりました。
私も1枚求めましたが素敵な作品でした。
添付の写真は最も最新の作品の前の高橋 靖子さんです。
又、和紙か韓紙か分かりませんが、黒く着色した紙にいろいろコラージュした作品が光って写真に出来ない旨を話しましたら、「じゃ鏡にして私を写して」とお茶目な靖子さんでした。
実物よりも細く見えます(笑)。



3D--高橋体験 栄通(丸島) - 2005/09/11(Sun) 15:50 No.3288  

 『2003年札幌・試み展』の時、彼女の作品を観た。何も感じなかった。赤やブルーの下地にマジックでいろいろな記号を書き印していた。ただ線を引いたり、落書きしたり、意味も無く模様を書き続けると、人は没我状態になり気持ちのいいものだ。自己イニシャルの刻印。その程度の印象にして、とりあえず記憶にしまい込んだ。

 その後二度位単作を観た。同じだった。
 ‘03年暮、タピオの個展の時だった。ギャラリー巡りでかなり疲れて、最後にここに来た。五時半頃だった。何だか皆な忙しそうに浮き足だっていた。落ち着かない空間だ。何が始まるのだろうか。構わずにイスに座ってボーと例の特異な作品を眺めた。疲れと黄昏ということで、自分が段々イスと一体となって3m位先の絵面,字面を追った。ほとんど無意識に。
 突然字面が動き出し、下地色が後に下がり、字が色模様となって飛び出してきた。3Dに成った。3D---少し違った二枚の写真を、40cm位離して、ひんがら目にして重ね合わせると物なり模様が飛び出て浮遊して見えるトリックだ。なぜだかこのトリック体験は何ともいえない幸福感に浸ることができる。絵は目を誤魔化して成立するものだと始めて知った。字が躍りだした。色が踊りだした。
 このことをあるパーティーで女性に話したら、「お酒飲んでいたの?」と、アルカイックなスマイルで返事がきた。妻に話したら、「お父さん。目、悪くなったんじゃない?」と、笑われた。〈彼女は利き目が強すぎて3D体験ができないのだ。)酒は飲んではいないが、確かに体内アルコールが分泌して、視力低下状態でのことだったかもし。れない
 一度こういう『高橋体験』をしたら薬(ヤク)の様なもので、彼女の作品がおもしろくて仕方がない。

 今展は二部屋を利用した贅沢な個展だ。A室はチューリップのように赤・青・黄などの色の世界だ。下地が綺麗で吸い込まれそうな作品群だ。B室は『赤と白』の世界だ。
 B室を語ろう。
 僕には体から滲み出る血の色にみえて仕方がない。当然彼女自身の肉体であり、その血だ。出血症の悪性ウィルスに犯された死んだ血だろうか?健全な肉体のほとばしる健康色だろうか?死んだ血だとて、ミクロの世界に入れば生きたウィルスがわんさと棲んでいる。遺伝子記号はYTYTYTYT・・・・の連続のはづだ。死ぬるもYT、生きるもYT。B室全体に彼女の血と肉体の生理をかんじた。バッコスの『血の祝祭』だ。

 一点だけポプアート風の目くらまし作品があった。無いほうが統一感があるが、これが彼女の遊び心だろう。「私の作品あんまりマジに見ちゃダメよ」、と。
 
 (長いお喋り、御寛恕を)

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